日本語教師を目指すあなたに!日本語教師になるための3つのこと

人様(募集した)の海外体験

日本語教師を目指すあなたに!日本語教師になるための3つのこと

 

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近年日本の伝統工芸やオタク文化などに対する海外からの関心が高まり、日本への留学を希望する学生も増加している傾向にあります。

 

また、日本の企業も安価に材料を手に入れる事ができ、労働力も確保がしやすいため、海外への進出を行っている企業も数多くあります。そんな中で日本語を指導できる日本語教師は様々な企業でも重宝され、さらに海外で生活でき、その国の文化にも触れられる機会を得る絶好の職業として注目を集めています。

 

 

僕は数年前までそんな日本語教師として多くの学生達に日本語指導を行ってきました。正直経験もそんなに豊富ではないし、そんなに長い期間ではなかったものの、その中で日本語教師になるためのポイントをいくつかお伝えしようと思います。

 

日本語教師って、どんなお仕事?

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そもそも、日本語教師とはどのようなお仕事なんでしょうか?この記事を読んでくれている人の中には日本語教師になりたいと思っている人もいるでしょうし、「どんな仕事なんだろう」という人もいるかもしれません。

教師という職業ですから、日本語を指導するというお仕事です。しかし、指導案や使用する教材は自由ですから、どのように授業を進めていくのか、どんな文章を使うのか、どんな教材を使って行くのか…全て教師の判断にかかっています。

 

もちろん教科書はありますが、そのまま進めたのでは面白くなくて学生も居眠りだってしてしまいます。

 

ですから日本語教師はできるだけ面白い授業にしようとして様々なものを使って授業を進めて行きます。絵を描いたり実際に何かものを使う事もあります。

 

授業の内容によってはレクリエーションのようになる事もあります。

 

時には教師自身を教材にしたり、演技をしたりと1コマが終わる頃にはクタクタになっている事も珍しくありません。この事を友人などに話すと、イメージしていた教師とは違うとよく言われます。

 

向き不向きはあるの?

日本語教師には特別な能力は実際には必要ありません。でも教える事が仕事ですから、しっかりと学生に向き合って苦手な事を分かるように教える事ができるといいでしょう。

それから、様々な知識や経験を持っている人は指導内容に幅を持たせる事ができるので強みになります。

 

僕も実際に経験した事で、授業の合間にちょっとした雑談をすることで学生の会話力を上げる事もできます。

 

この時の会話内容を日本の事や国名、地名などを使う事であまり使わない単語を覚えたり、日本の文化を知ってもらう事もできるので一石二鳥です。

 

また、今知識を持っていなくてもこれから知識をつけていく事はできますから、この点は挽回できるチャンスがいくらでもあります。

 

どんな仕事か分かった所で、次はどうしたら日本語教師になれるのかをお伝えしたいと思います。

日本語教師になるにはどうしたらいい?

 

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では職業としての日本語教師になるためには何をすればいいのでしょうか?しかも日本語教師は小、中学校の教諭などのように明確な国家資格がない職業です。

 

しかし、いくつかの資格や条件が存在しており、その資格を持っていたり条件を満たす事で教師として応募する事ができます。

 

まずは大前提でもある日本語教師になるための方法ですが、これにはいくつかの方法があります。ボランティアで地域の外国人を対象に開催されている教室でも教える事はできますが、やるならやっぱり職業として報酬を得たいですよね。

 

では、日本語教師になるために必要な資格とその取得方法を見ていってみましょう。

 

日本語教師になるための資格として主に必要とされているのは

 

・大学、及び大学院で日本語教育の学科、あるいは専攻を修了している事

・日本語教育能力検定試験の合格

・日本語教育振興協会が定める学習機関にて規定の時間の学習を修了する

 

の3つが挙げられます。

 

正直、これだけ見ても何の事やらとなっている人も多いかと思いますので、それぞれの資格の取得方法やメリット、デメリットを見ていきましょう。

 

大学、及び大学院で日本語教育の学科、あるいは専攻を修了

 

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これがおそらく最も確実な方法かと思われます。何せ大学や大学院でその年数だけみっちりと勉強ができますから。しかし、「日本語教育」の学士や修士号ははっきり言って入学当初から決まってなんかいないし、社会人になってから改めて入学試験の勉強をしてお金を貯めて…なんて正直やっていられません。

 

また、ある程度情報を持っていないとどこの大学にどんな先生がいらっしゃるのかなんて分かりません。しかし、そういった学科や専攻のある大学で勉強する事ができれば、教育メソッドやその先生の指導方法、教具や教材を教えてもらう事もできるので非常にいい方法と言えるかもしれません。

 

 

また、留学生を数多く受け入れている大学では多くが入学前に日本語を勉強する課があり、そこで学生達はハイレベルな日本語学習を行っています。もう言いたい事は分かりますね。そうです、そのハイレベルな日本語の指導を行っている先生から日本語教育の指導を行ってもらえるのです。

 

 

さらに、その先生から学校の紹介や指導のお誘いを受ける事もあるかもしれません。お金がかかるし、入学前の準備も大変というデメリットもありますが、それを差し引いても十分なメリットがあるかもしれません。

 

日本語教育能力検定試験の合格

 

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この資格は毎年10月頃に実施されている検定試験で、その名前の通りに日本語を教えるための知識を量るためのものです。

 

日本語教育全般の知識や教室でのトラブルへの対応のようなケーススタディまで様々な問題が出題されます。独学でも勉強はできますが、はっきり言って範囲が広すぎて何をどう勉強したらいいか分からないという人もたくさんいます。

 

もし独学で勉強するなら1年近く準備をするくらいの気持ちでかからないといけないかもしれません。

 

 

過去問もありますが、はっきり言って問題の傾向をつかむくらいしかできないし、音声問題やケーススタディは実際に経験しないと分からない部分もありますから、実際に教壇に立っていない状態での一発合格はかなり難しいと思った方がいいかもしれません。

 

 

しかし、多くの学校がこの資格を持っている事を前提に募集を行っているので、合格しておけばからりの確率で学校側の提示している条件をクリアできます。

 

また、実際にこの資格は履歴書にも書ける資格ではあるので、持っておけば日本語教師以外の仕事に就く時にももしかしたら役に立つかもしれません。

 

 

もし独学が難しいようならこの検定の対策講座へ通うのもありだと思います。この資格は持っていると使える場面が多く、講座の費用よりも得られるリターンの方が大きくなる可能性も高くなります。

 

 

 

この試験について注意しないといけないところは、受験申込書を手に入れにくいという点です。申込書が手に入れにくい資格ってどうなんでしょうね。

 

6月頃から書店で買う事ができますが、置いてある書店が限られています。

 

大型書店なら置いてある事も多いですが、この資格の対策本を取り扱っている所ならほぼ置いてあると思っていいかもしれません。

 

 

もし分からなかったら凡人社という日本語教育の書籍を取り扱っている会社のサイト内に取り扱い書店一覧が掲載されているので、見てみてください。取り扱い書店に行っても置いてない時は店員の人に聞いてみましょう。


そしてもうひとつ注意しなければならないのは、申込書が6月頃に販売開始で申し込み期限が8月の上旬頃と期限があまり長くない事です。販売開始時期や申し込み期限は年ごとに違うので、しっかりとチェックしておく事をお勧めします。僕も1度申し込み期限を忘れてしまって後悔した経験があります。

 

日本語教育振興協会が定める学習機関にて規定の時間の学習を修了する

 

 

 

日本語教師になるためにはもしかしたらこれが1番ハードルが低い条件かもしれません。日本語教育振興協会(以下、日振協と書きます)が指定しているのはほとんどが日本語学校に併設された養成講座です。僕もこういった養成講座を修了して日本語教師になりました。

 

 

規定の時間は420時間となっており、その中で知識面と技術面の指導が行われます。知識面は実際に教壇に立つ時に役立つものや検定試験対策としてのものだったりと様々ですが、聞いている時には役に立ちそうにないな〜と思っていた音声学の講義も、指導をしている時に発音がちょっと変な学生に指導ができ、発音の癖を直す事ができたので、その時に「聞いていてよかったー!!」と思いました。

 

 

無駄になるような事は全くないように知識を付けられるカリキュラムが組まれているので、もし受講する人がいたら、しっかりと講義は聞いておく事をお勧めします。養成講座の中での技術面の指導は実際に教案(授業進行用のカンペみたいなもの)を作って模擬授業をします。話すスピードや指導に使う例文、言葉のセレクト…僕もこの技術指導ではたくさん突っ込まれました。

 

 

できがあまりよくなかったので担当の先生には頭を抱えさせてしまいました。でもその分どうやって授業を進めていこうか、どんな教材を使おうかといった教師になるための自覚のようなものが生まれました。

 

 

そういう意味でも養成講座に通うのは選択肢としてもかなり有効なのではないかと思います。それから、ここで場数を踏んでおくと実際に教える時の緊張感が薄れたり、講座の中で教案や一部の教材はここで作成できるので、準備にかける時間が短縮できたりもするし、指導を受けられるので改善もしやすくなります。

 

 

学校によっても指導の仕方に違いがあります。例えば大きい学校が開いている養成講座はしっかりとしたカリキュラムに有名だったり経験の豊富な先生が担当してくれる事が多いですが、受講する人数が多くなってしまいます。人数が多い講座の技術指導は時間も限られていますから、実際に模擬授業をできる人数が少なくなってしまいます。

 

しかし人数が少ない講座だと、皆が毎回模擬授業を行う事ができるというメリットがあります。僕も紹介で養成講座を選びました。毎日模擬授業で使う教案などの準備をするのは大変でしたが、少人数の講座を受講して正解だったな〜と今なら思います。

 

講座は受講料がちょっと高いし、時間も取られてしまいますが、その分後に残ったものは教師として実際に使えるもの、役立つものばかりでした。僕が受講した講座はコースによって講義の時間はゆとりを持って行う場合と詰め込んで勉強していく場合で数通りありました。

 

 

模擬授業はどのコースでも一律で3ケ月という期間で行われており、毎日のように同じメンバーで模擬授業を行うため、気の置けない仲になり模擬授業への評価もだんだんとシビアなものになっていきました。でもそんな評価をしてもらえたからこそ、自分の授業内容をしっかりと振り返る事ができ、最初は散々だった内容も最後の方はそのまま授業で使う事ができるような内容になっていきました。

 

以上が日本語教師になるための資格や条件です。

養成講座の修了をしているだけでも日本語教師としてはお仕事ができますが、勤務できる所や形態が限られてしまいます。それについては次のポイントでお伝えしましょう。

 

実際に日本語教師として働くには?

 

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では実際に日本語教師として働くためにはどのようにしたらいいのでしょうか。それをこの章ではお伝えします。

僕の場合は養成講座を受講している時にその学校にきていた募集の中からいくつかの学校を紹介してもらい、その中から選びました。

 

ちなみに選択肢は中国の大連、タイのナコンパトム、トルコの3カ国でした。その中から僕はタイのナコンパトムに行く事にしました。

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決め手は大学時代に仲の良い友人や留学生からタイについていろいろな事を聞いていて行ってみたいな〜と思っていたからです。最初はついでに観光もできたらいいな、程度に考えていましたが、バンコクに行くのすら時間がかかるのでなかなか観光ができませんでした。

 

 

話しが脱線してしまいましたね。日本語教師になるには、僕のように養成講座や試験対策講座など勉強していた所で紹介を受ける方法が最もポピュラーで仕事を探しやすいと思います。おまけに紹介なら、その紹介してくれた人を通じているので、採用率はグッと上がります。

 

 

次に、日本語教師のサイトで募集している学校に応募する事です。しかし、ここで注意しなければならないのはその学校は果たして信用できる所なのか、という事です。特に海外の場合は実際に行って見てみる、なんて事はかなり難しいです。ネットで学校のサイトなどを調べるなどして大丈夫そうなら応募しましょう。

 

かなり珍しい例ですが、まれにハローワークでも日本語教師の募集があります。この場合は学校でなく、企業が海外からの労働者を迎え入れたり、逆に海外に進出する時に現地の人を採用してから日本語を指導する為の募集である場合が多いです。

 

これも注意しないと実際に稼働する前だと企画が流れてしまう事もあります。

 

僕も実際にハローワークでたまたま稼働前の日本語指導の仕事を見つけて応募しましたが、後で聞くとその企業の日本語指導の課は10年くらい前にも同じように募集を行っており、教師の採用が決まってから企画がなくなってしまった事があったようです。僕もその企業に応募していましたがその話しを聞いて辞退しました。

 

 

後でその企業のサイトを見てみると、案の定というか、日本語指導の課は立ち上げられていませんでした。このように、他の先生や学校などとつながりを持っておく事は情報を得るためにもかなり重要だったりします。これから勉強する予定の人はしっかりとコネクションを作っておきましょう。

 

それから、日本で働くのか、それとも海外で働くのかによっても色々と変わってきます。ここまでは海外で働く前提で書いてきましたが、実は国内で働く場合には、注意するべき点がいくつかあるので、お伝えします。

 

1カ所で働く?それとも数カ所で働く?

国内の日本語教師の採用には大きくわけて2パターンあります。常勤講師としての採用と非常勤講師としての採用です。つまり、フルタイムかパートタイムかという事です。

 

非常勤講師の採用はハードルが低い分、給与も安かったりするので、隙間の時間があったりと行った形でまさにパートやアルバイトのような感覚での勤務形態となります。

 

対して常勤講師は朝から晩まで、と行ったような形で学校の運営や指導スケジュールの作成なども行います。非常勤講師の場合には先ほども書いたように給与が安いです。なので数カ所の学校を掛け持ちして指導している先生も中にはおられます。

 

必要な資格が変わる!?

また、国内で働く場合、特に常勤講師の場合ですが、前の章でお伝えした資格の中で、日本語教育能力検定試験はほぼ必ず必要になってきます。国内では大学への進学や就職などが控えているので、より質の高い教師を必要としているので検定の合格がほぼ必須条件になっているようです。

 

 

逆に海外の場合には前の章の3つの資格、条件のうち1つを満たしている事と大学の卒業などの資格が必要になります。こちらは人数の確保が必要な事と「海外で働く」当事自体が高いハードルになっているので、条件を下げている場合が多いようです。

 

資格などの条件が揃ったら、希望の学校や企業に問い合わせてみましょう。

 

 

僕も実際に日本語教師として仕事をする前に養成講座に通っていましたが、日本国内の教諭とは指導方法が全く違っているのに驚きました。また、国内の求人はあまり多くありませんが、海外の求人は常に出ているので、海外に出てみたい、海外で働いてみたいという人がいたら、この記事を読んで日本語教師という選択肢を持ってもらえると嬉しいです。

 

 

それから、はじめにも書きましたが、伝統文化やオタク文化に詳しいと学生との会話も弾みます。僕は高校まで剣道をしていて、さらにオタクだったのでいろいろな話題で学生と盛り上がりました。

 

 

海外での生活は文化や言葉の違いがあるので苦労する事も多かったですが、帰国して数年経った今でも連絡をくれる学生がいたりするので嬉しくなったりもします。それに、他の人が滅多にできないような経験もできるので、日本語教師をやってよかった!!と思う事が多いです。苦労の分だけやりがいもあるし、得られるものも大きいので、もし何かの機会があったら日本語教師という選択をしてみてください。

 

 

まとめ

 

日本語教師とは…

・日本語教師は様々な道具など、時には自分をも使って授業を進める

・日本語教師には特別な能力は必要ない

・学生と向き合ってしっかりと苦手な事を把握し、教えられる人がベター

・知識や経験が豊富な人は学生との会話が弾んだり、会話力の向上が図れる

・知識をこれから付けていきたい人でも大丈夫!

 

必要な資格は…

日本語教育を専門とする大学、大学院の学科や専攻を修了する

日本語教育能力検定試験の合格

日振協が定める日本語教師養成講座での規定の時間の学習

 

日本語教師として働くには…

学校や講座で紹介を受ける

日本語教師のサイトの募集欄を見て応募する

ハローワークなどで紹介を受ける

・常勤講師として働くか、非常勤講師として働くか

・国内と国外では必要になってくる資格が違う場合がある

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