会社を辞めるとき、退職金が出る。うれしい反面、「これって、税金はどのくらい引かれるの?」と、気になりませんか。
退職金は、ふつうの給料とは、税金の計算のしかたが違います。実は、かなり有利な計算になっています。
この記事では、国税庁の公式ページをもとに、退職金にかかる税金のしくみと、「退職所得控除」の計算のしかたを整理しました。
この記事は、一般的な情報です。実際の税額は、お勤め先の担当窓口や、税務署で確認してください。
- ✅ 退職金は「退職所得」として、給料とは別に計算されます
- ✅ 退職所得の金額は、(収入金額 − 退職所得控除額) × 2分の1 で求めます
- ✅ 「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、原則として、確定申告は不要です
退職金は、どんな税金がかかるの?

国税庁の案内によると、会社を辞めたときに受け取る退職金は、「退職所得」として、税金が計算されます。
給料などの、ほかの所得とは、分けて計算します。
計算のしかたは、次の式で、決まっています。
退職所得の金額 = (収入金額 − 退職所得控除額) × 2分の1
「収入金額」は、源泉徴収される前の金額です。つまり、会社から支払われる退職金の、税金を引く前の額です。
退職所得控除額は、勤続年数で決まる

「退職所得控除額」は、勤続年数で決まります。なお、勤続年数の、1年未満の端数は、1年に切り上げます。たとえば、勤続10年2か月なら、11年として計算します。国税庁の案内の例では、10年2か月は、11年で440万円、30年は、1,500万円です。
また、障害者になったことが直接の原因で退職したときは、下の額に、100万円が加算されます。計算のしかたは、次の表のとおりです。
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数 (80万円に満たないときは80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年) |
計算してみよう(この記事の計算例)

ここからは、公式の計算式を使った、この記事での計算例です。実際の金額ではありません。
【例】勤続25年で、退職金が2,000万円のとき
・退職所得控除額 = 800万円 + 70万円 × (25 − 20) = 1,150万円
・退職所得の金額 = (2,000万円 − 1,150万円) × 2分の1 = 425万円
この例では、退職金が2,000万円でも、税金の計算のもとになる「退職所得の金額」は、425万円です。
ここから、税額は、別の計算で求めます。税額の計算は、お勤め先の担当窓口や、税務署に、確認してください。
2分の1にならない場合もあります

国税庁の案内には、2分の1を使えない場合も、書かれています。
- ✅ 特定役員退職手当等: 役員等として勤めた年数が5年以下の人が受け取る退職金。控除後の額が、そのまま退職所得の金額になる
- ✅ 短期退職手当等: 役員等以外で、勤続年数が5年以下などの人が受け取る退職金。控除後の額のうち、300万円を超える部分は、2分の1にならない
勤続年数が短い人は、ご自分が当てはまるかどうか、確認してみてください。
確定申告は、必要?

国税庁の案内では、次のとおりです。
なお、申告書を出している場合でも、医療費控除や寄附金控除などで確定申告をするときは、退職所得の金額を、確定申告書に書く必要があります。
退職金を受け取る前に、会社の担当窓口で、申告書を出したかどうかを、確認しておくと、安心です。
| 場面 | どうなる? |
|---|---|
| 「退職所得の受給に関する申告書」を出した | 支払う側が、正しい税額を源泉徴収する。原則、確定申告は不要 |
| 申告書を出していない | 支払金額の20.42%が源泉徴収される。確定申告で、精算する |
注意したいこと

国税庁の案内には、次のような注意も、書かれています。
前の年以前に、退職金を受け取っているときや、同じ年に2か所以上から退職金を受け取るときは、退職所得控除額の計算が、変わることがあります。ご自分のケースが当てはまるときは、国税庁のページや、税務署で、確認してください。
会社を辞めたあとの、ほかの手続き

退職金のほかにも、会社を辞めたあとは、手続きがあります。
健康保険や年金については、50代で会社を辞めたあとの健康保険と年金の手続き|14日と20日の期限と選び方で紹介しています。
失業手当(基本手当)については、50代で会社を辞めたら失業手当はいつまで・いくらもらえる?基本手当の日数と金額をハローワークの公式情報で確認で整理しています。
退職した年に、再就職しないときの確定申告(還付)については、年の途中で会社を辞めて再就職しないとき|年末調整を受けていない場合の確定申告(還付)のしかたや、50代で無職になったときのお金の不安を整理する|使える公的支援と相談窓口も、あわせてどうぞ。
よくある質問

Q. 退職金には、税金がかかりますか?
A. 国税庁の案内では、退職金は「退職所得」として、税金の計算の対象になります。ただし、勤続年数に応じた「退職所得控除額」を引き、さらに2分の1にして計算するため、ほかの所得とは、計算のしかたが違います。
Q. 退職所得控除は、いくらですか?
A. 勤続20年以下は、40万円に勤続年数をかけた額(80万円に満たないときは80万円)です。20年を超えると、800万円に、20年を超えた年数×70万円を足した額です。
Q. 退職金をもらったら、確定申告をしないといけませんか?
A. 国税庁の案内では、「退職所得の受給に関する申告書」を出していれば、原則として、確定申告は不要です。出していないときは、支払金額の20.42%が源泉徴収され、確定申告で精算します。
まとめ|退職金は、控除と2分の1で計算される

退職金は「退職所得」として、給料とは別に、税金が計算されます。
退職所得の金額は、(収入金額 − 退職所得控除額) × 2分の1です。控除額は、勤続年数で決まります。
まずは、ご自分の勤続年数から、退職所得控除額を、計算してみてください。
参考情報
国税庁 タックスアンサー No.1420「退職金を受け取ったとき(退職所得)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm
(2026年10月23日に確認した内容です。制度は変わることがあるため、最新の案内を確認してください。)
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