正社員として働いた期間は、数年だけ。
そのあとは、収入が少なくて、国民年金の保険料を、ずっと「免除」してもらってきた。
そんな方は、「60歳になったとき、何か手続きが必要なの?」「年金は、ちゃんともらえるの?」と、不安になると思います。
この記事では、日本年金機構の公式ページをもとに、60歳前後と、65歳のときにすることを、順番に整理しました。
この記事は、一般的な情報です。実際の年金額や、手続きは、年金事務所や、「ねんきんネット」で、確認してください。
- ✅ 免除された期間も、年金を受け取るための期間(受給資格期間)に入ります
- ✅ 全額免除の期間は、年金額には「2分の1」として反映されます
- ✅ 60歳以降にできることは、「追納」「任意加入」の2つ。65歳になったら、請求の手続きをします
まず確認したい、免除期間の扱い

日本年金機構の案内では、国民年金の保険料の免除や納付猶予の期間は、次のように扱われます。
| 区分 | 年金額への反映 | 受給資格期間への算入 |
|---|---|---|
| 全額免除 | 2分の1 | 入る |
| 4分の3免除 | 8分の5 | 入る |
| 半額免除 | 8分の6 | 入る |
| 4分の1免除 | 8分の7 | 入る |
| 納付猶予 | 反映されない | 入る |
この表は、平成21年4月以降の期間の扱いです。
平成21年3月分までは、全額免除が3分の1など、割合が違います。
大事なのは、次の2点です。
- ✅ 免除や納付猶予の期間は、年金を受け取るための期間(受給資格期間・10年以上)に、数えられる
- ✅ 全額免除の期間は、年金額には、「納付した期間の2分の1」として、数えられる
納付猶予の期間は、追納しないと、年金額には反映されないと、説明されています。
60歳になったら、免除の申請は必要?

毎年、免除の申請をしている方は、「60歳になったときも、申請するの?」と、気になると思います。
日本年金機構の案内では、国民年金に入る対象は、「日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の方」と、書かれています。
つまり、保険料を納める期間は、60歳になる前までです。60歳になったあとの月は、保険料を納める対象ではないため、免除の申請も、基本的には、要りません。
- ✅ 免除の「年度」は、7月から翌年6月まで
- ✅ 60歳になる年も、その年度の申請は、これまでどおり必要
- ✅ 対象になるのは、60歳になる前の月まで
誕生月の分が、どちらになるかなど、月の細かい数え方は、年金事務所で、確認してください。
毎年の申請を、続けるかどうかの取り扱いも、年金事務所で、聞くと安心です。
また、免除の申請は、過去の分も、さかのぼってできます。日本年金機構の案内では、申請の時点から、2年1か月前までの期間が、対象です。
申請を忘れていた月がないか、ねんきんネットや、年金事務所で、確認してみてください。
年金額は、どのくらいになる?|この記事の計算

老齢基礎年金は、40年(480月)納めた場合が、満額です。
たとえば、次のような場合を、考えてみます。(この記事の計算です)
- ✅ 正社員(厚生年金)で働いた期間が、5年(60月)
- ✅ 全額免除の期間が、20年(240月)
- ✅ 年金額に反映される月数は、60月+240月×2分の1=180月
- ✅ 満額の480月に対する割合は、180月÷480月=8分の3(37.5%)
実際には、期間の組み合わせや、免除の種類で、変わります。
自分の場合は、ねんきん定期便や、「ねんきんネット」で、確認してください。ねんきん定期便の見方は、50代のねんきん定期便の見方|年金見込額・加入期間・未納のチェックポイントで紹介しています。
60歳になったとき、できること①|追納

追納とは、免除や納付猶予を受けた期間の保険料を、あとから納める制度です。
日本年金機構の案内によると、次のとおりです。
- ✅ 追納できるのは、追納が承認された月の前10年以内の、免除等の期間
- ✅ 免除の承認を受けた期間の翌年度から数えて、3年度目以降に納めるときは、当時の保険料に「加算額」が上乗せされる
- ✅ 追納するには、「国民年金保険料追納申込書」を、年金事務所に出す
- ✅ 老齢基礎年金を受け取れる方は、追納できない
追納すると、年金額が増えます。日本年金機構の目安は、次のとおりです。
- ✅ 全額免除の期間なら、1年分の追納で、老後の年金が、年間約1万円増える
- ✅ 納付猶予の期間なら、1年分の追納で、年間約2万円増える
また、追納した保険料は、社会保険料控除の対象になります。
ただ、お金に余裕がないときに、無理に追納する必要はありません。
追納できる月数と金額は、「ねんきんネット」や、年金事務所で、確認できます。
60歳になったとき、できること②|任意加入

国民年金の保険料を納める義務があるのは、20歳以上60歳未満の期間です。
60歳以降も、年金額を増やしたいときは、「任意加入」という制度があります。
日本年金機構の案内では、次の4つの条件を、すべて満たす必要があります。
- ✅ 日本国内に住所があり、60歳以上65歳未満である
- ✅ 老齢基礎年金の、繰上げ支給を受けていない
- ✅ 20歳以上60歳未満の、保険料を納めた月数が、480月(40年)未満である
- ✅ 厚生年金保険や、共済組合などに、加入していない
手続きは、60歳の誕生日の前日から、できます。
加入は、申し出のあった月からです。さかのぼって、加入することはできません。
窓口は、お住まいの市区町村の、国民年金の窓口か、最寄りの年金事務所です。
保険料は、口座振替が、原則とされています。
任意加入の条件への当てはまり方は、人によって違います。
自分が対象になるかは、年金事務所で、確認してください。
65歳になったら|年金の請求

日本年金機構の案内によると、年金を受け取るために必要な「年金請求書」は、受給開始年齢に達する3か月前に、事前に送られてきます。
請求書が届いたら、案内に従って、記入して提出します。
請求の手続きの、細かい点は、年金事務所で、確認できます。
老齢年金には、受け取りを早める「繰上げ」と、遅らせる「繰下げ」もあります。
繰下げ(受け取りを遅らせる)については、50代のねんきん定期便の見方でも、触れています。
収入が少ない方は|年金生活者支援給付金

年金が少ない方には、年金に上乗せして支給される、「年金生活者支援給付金」があります。
日本年金機構の案内では、公的年金などの収入やその他の所得が、一定の基準額以下の、年金を受け取る人の生活を支えるための給付金とされています。
年金とは別に、年金と同じ口座に、振り込まれます。
もらえる人(3つすべてが必要)
- ✅ 65歳以上で、老齢基礎年金を受けている
- ✅ 請求者本人を含む、世帯全員の市町村民税(住民税)が、非課税である
- ✅ 前の年の「年金収入とその他の所得の合計」が、基準額以下である
令和8年10月からの基準額は、昭和31年4月2日以後に生まれた方で、826,500円以下です。(基準額は改定されることがあります)
障害年金や遺族年金など、税金がかからない収入は、この合計には入れません。
金額の計算(月額)
次の2つを、足した額です。
- ✅ 納めた期間の分: 5,620円 × 納めた月数 ÷ 480月
- ✅ 免除の期間の分: 11,768円 × 免除の月数 ÷ 480月(全額免除・4分の3免除・半額免除。4分の1免除は5,884円)
免除の期間は、納めた期間より、1か月あたりの金額が、多く計算されます。
日本年金機構のページの例と、この記事の計算を、表にしました。
| 納めた月数 | 全額免除の月数 | 納めた期間の分 | 免除の期間の分 | 合計(月額) |
|---|---|---|---|---|
| 240月 | 60月 | 2,810円 | 1,471円 | 4,281円(日本年金機構のページの例) |
| 60月 | 300月 | 約703円 | 7,355円 | 約8,058円(この記事の計算) |
端数の処理や、実際の金額は、人によって違います。
納めた期間に、厚生年金の期間がどう入るかなど、自分の月数での金額は、年金事務所で、確認してください。
基準額を、少し超えるとき
前の年の所得の合計が、基準額(826,500円)を超えて、926,500円以下のときは、「補足的老齢年金生活者支援給付金」を、受け取れる場合があります。
基準額を超えた分に応じて、金額が少しずつ減る仕組みと、説明されています。
請求の手続き
- ✅ 「年金生活者支援給付金請求書」に書いて、年金事務所に出す(郵送も可)
- ✅ これから老齢基礎年金を請求する人は、年金の請求書といっしょに出す
- ✅ 請求書は、65歳の誕生日の前日以降に出す
- ✅ 添付の書類は、原則、要らない(市町村から、所得の情報が届くため)
- ✅ 審査のあと、支給決定の通知書が届く(要件を満たさないときは、不該当通知書)
- ✅ 振り込みは、原則、偶数月の15日に、前の月までの2か月分
受け取りは、原則、請求した月の翌月分からです。早めの手続きが、案内されています。
気をつけること
- ✅ 老齢基礎年金を、66歳以降に繰下げて受け取るあいだは、給付金の請求はできない
- ✅ 日本国内に住所がなくなったときなどは、受け取れない
- ✅ 所得が基準を超えた年は、受け取れないことがある
問い合わせは、「給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)」や、年金事務所で、できます。
日本年金機構のホームページにも、「年金生活者支援給付金相談チャット」があります。
この給付金は、「年金」とは別に、受け取る制度です。
住民税が非課税かどうかと、免除の月数で、決まります。
条件に当てはまるか、年金事務所や、給付金の専用ダイヤルで、確認してください。
60歳前後に、やっておきたいことのまとめ

- ✅ ねんきん定期便で、自分の加入期間と、見込額を、確認する
- ✅ 「ねんきんネット」で、追納できる月数と、金額を、調べる
- ✅ 追納や任意加入を、するかどうか、年金事務所で相談する
- ✅ 65歳の3か月前に届く、年金請求書を、確認する
- ✅ 収入が少ないときは、年金生活者支援給付金の条件も、調べる
お金の不安が大きいときは、50代で無職になったときのお金の不安を整理する|使える公的支援と相談窓口もあわせてどうぞ。
よくある質問

Q. 正社員の期間が短くても、年金はもらえますか?
A. 日本年金機構の案内では、老齢基礎年金は、保険料を納めた期間と、免除などの期間を合わせて、10年以上必要とされています。免除の期間も、この10年に入ります。自分の期間が足りているかは、ねんきん定期便や、ねんきんネットで確認してください。
Q. 60歳になったら、免除の申請は、どうなりますか?
A. 日本年金機構の案内では、国民年金に入る対象は、20歳以上60歳未満です。60歳になったあとの月は、保険料を納める対象ではないため、免除の申請も、基本的には要りません。60歳になる年も、その年度の申請は必要で、対象は、60歳になる前の月までです。月の細かい数え方は、年金事務所で確認してください。
Q. 免除してもらった保険料は、必ず追納しないといけませんか?
A. 追納は、任意です。日本年金機構の案内では、追納すると、年金額が増えると説明されています。ただ、無理のない範囲で、考えてください。
Q. 年金が少ないとき、ほかにも相談できるところはありますか?
A. 年金については、年金事務所や、街角の年金相談センターで、相談できます。生活全体のお金の不安は、お住まいの市区町村の窓口に、相談する方法もあります。
まとめ|免除期間も、年金につながっています

免除や納付猶予の期間は、年金を受け取るための期間に、数えられます。
全額免除の期間は、年金額には、2分の1として、反映されます。
60歳以降は、「追納」や「任意加入」で、年金額を増やす方法があります。
65歳になったら、年金請求書で、請求の手続きをします。
収入が少ない方は、年金生活者支援給付金の条件も、確認してみてください。
まずは、手元のねんきん定期便を、開いてみることから、始めてみませんか。
参考情報
日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内(令和8年10月版)」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/sonota-kyufu/shienkyufukin/seikyu/roureikiso.files/leaflet1.pdf
日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html
日本年金機構「国民年金保険料の追納制度」 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150331.html
日本年金機構「任意加入制度」 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140627-03.html
日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/sonota-kyufu/shienkyufukin/rourei.html
日本年金機構「これから老齢年金を受給する方へ」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/rourei/seikyu/20140421-05.html
(いずれも2026年10月14日に確認した内容です。制度や金額は変わることがあるため、最新の案内を確認してください。)
✨この記事を読んでくれて、ありがとうございます🌸
私自身も、たくさんの小さな一歩を重ねて、少しずつ人生を変えてきました。
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