「強く願えば、欲しい未来を引き寄せられる」
「思考を変えれば、現実も変わる」
引き寄せの法則について調べていた頃、私はそんな言葉を何度も目にしました。
仕事で結果を出したい。お金の不安を減らしたい。自分に自信を持ちたい。できれば、安心して一緒に過ごせるパートナーにも出会いたい。
変えたいことがたくさんあった私は、「考え方を変えるだけで現実まで変わるなら、試してみたい」と思いました。
前向きな言葉を繰り返したり、願いをノートに書いたり、叶った場面を想像したり、瞑想や深呼吸をしたりしました。
では、願ったことが魔法のように次々と叶ったのでしょうか。
正直に言えば、そうではありません。
お金の不安が一晩で消えたわけでも、理想の暮らしが突然手に入ったわけでもありません。気持ちが沈む日も、人と比べる日も、やるべきことを先延ばしにする日もありました。
それでも、続けるうちに変わったことはありました。
自分が本当は何を望んでいるのかを考えるようになり、必要な情報に気づきやすくなり、今日できる行動を一つ選べるようになってきたのです。
この記事では、50代の私が引き寄せの法則を試してみて、うまくいかなかったことと、実際に役立ったことを正直にまとめます。
※この記事は私自身の体験と考えをまとめたものです。願うことや特定の方法によって、望んだ結果が必ず得られると保証するものではありません。
Contents
引き寄せの法則に期待したのは、今の自分を変えたかったから
私が引き寄せの法則に興味を持った理由は、単純に夢を叶えたかったからだけではありません。
当時の私は、人と比べては落ち込み、「私には無理」「どうせうまくいかない」と考える癖がありました。
何かを始めても、すぐに結果が出ないと別の方法を探す。成功した人の動画を見て刺激を受けた直後はやる気になるものの、自分との差を感じてまた落ち込む。
そんな状態を変えたくて、「潜在意識が変われば、私ももっと自然に行動できるのではないか」と期待したのです。
最初は、前向きなことだけを考えればよいと思っていました。
嫌な気持ちが出たら打ち消し、失敗を考えないようにして、叶った未来だけを想像しようとしました。
けれども、無理に前向きになろうとするほど、本音とのずれが大きくなりました。
「私は成功できる」と言いながら、心の中では「本当に?」と疑っている。
この状態では、言葉を繰り返すこと自体が苦しくなります。
そこで私は、ネガティブな気持ちを消すことよりも、まず今の気持ちに気づくことから始めました。
試して分かったこと1|願いを書くと、自分の望みが具体的になる
引き寄せの法則を試す中で、私にとって一番役立ったのは、願いをノートに書くことでした。
ただし、書いた願いがそのまま叶うという意味ではありません。
頭の中だけで考えていたことを文字にすると、「私は何を欲しがっているのか」「それを得て、どんな気持ちになりたいのか」が見えやすくなったのです。
たとえば、私は「もっとお金が欲しい」と何度も書きました。
でも、なぜ欲しいのかを掘り下げると、本当に求めていたのは次のようなことでした。
- 毎月の支払いを心配せずに暮らしたい
- やりたいことを、お金だけを理由に諦めたくない
- 家族や大切な人との時間を楽しみたい
- 自分の仕事が誰かの役に立っていると感じたい
- 将来の不安を少し減らしたい
こうして書き出すと、「お金持ちになりたい」という曖昧な願いが、「安心して暮らしたい」「役に立てる仕事をしたい」という、自分にとって大切な望みに変わりました。
望みが具体的になると、今日できることも考えやすくなります。
収入を増やすための作業を一つする。固定費を確認する。作ったものを一人に案内する。学んだことを一つ試す。
願いを書くことは、未来へ注文を出すというより、自分の進みたい方向を確認する作業だったのだと思います。
試して分かったこと2|意識したものに関する情報が目に入りやすくなる
新しいバッグが欲しいと思った途端、街で同じ色のバッグをよく見かける。
旅行へ行きたいと思い始めたら、その場所のニュースや広告が急に目につく。
このように、あることを意識すると、関連する情報が増えたように感じることがあります。
私にも同じことがありました。
「人の役に立つ仕事がしたい」とノートに書くようになってから、人がどんなことに困っているのか、以前より気にするようになりました。
「自分の商品を一人に届ける」と決めたときは、紹介文の直すべき部分や、案内できそうな場所が目に入りました。
何もないところから機会が突然現れたというより、これまで見過ごしていた情報に気づけるようになったのだと思います。
ただし、気づいただけでは現実は変わりません。
見つけた情報を調べる。連絡する。申し込む。書く。人に伝える。
小さくても行動したときに、初めて次の変化につながりました。
試して分かったこと3|前向きな言葉は、本音から離れすぎないほうが続く
引き寄せの法則では、前向きな言葉を繰り返す方法がよく紹介されています。
私も「私は成功する」「私は豊かだ」と言ってみました。
ところが、その言葉と今の気持ちが離れすぎていると、心の中からすぐ反論が出ました。
「成功していないから困っているんだけど」
「豊かだと思えないから不安なんだけど」
無理に信じ込もうとすると、できない自分をまた責めることになります。
そこで、今の自分でも受け入れやすい言葉へ変えました。
- 「私は成功する」ではなく「今日は一つ進めてみる」
- 「私は何でもできる」ではなく「分からないことは少しずつ覚えられる」
- 「私は豊かだ」ではなく「今あるものも確認してみる」
- 「失敗しない」ではなく「失敗しても次の方法を考えられる」
- 「毎日続ける」ではなく「休んでもまた戻ってくる」
大きな言葉で自分を奮い立たせるより、今の自分が納得できる言葉のほうが、次の行動につながりました。
前向きな言葉は、現実を否定するためではなく、自分を責める言葉を少しやわらげるために使うのが、私には合っていました。
試して分かったこと4|瞑想や深呼吸は、願いを叶えるより「戻る時間」になった
私は、引き寄せの法則を学ぶ中で、瞑想や呼吸に意識を向けることも試しました。
最初は、余計な考えをなくし、いつもよい気分でいるためにやろうとしていました。
でも、瞑想を始めても雑念は次々に出てきます。
仕事のこと、お金のこと、昨日言われたこと、これからやらなければならないこと。
「何も考えないようにしよう」と力を入れるほど、かえっていろいろ考えてしまいました。
今は、雑念を消すことを目標にしていません。
数分だけ座り、呼吸に意識を向ける。別のことを考えていると気づいたら、また呼吸へ戻る。
瞑想中に何度それても、そのたびに戻ればよいと考えています。
この感覚は、日常にも役立ちました。
人と比べて落ち込んでいると気づいたら、自分が今日することへ戻る。情報を見すぎていると気づいたら、画面を閉じる。焦っていると気づいたら、一度深呼吸する。
瞑想や深呼吸は、願いを自動的に叶える方法ではなく、気持ちが散らかったときに自分へ戻る時間になりました。
試して分かったこと5|感謝は「嫌なことを無理に良く考える」ことではない
感謝を書く方法も試しました。
最初は、何が起きても感謝しなければならないと思っていました。
でも、つらいときに「これもありがたい」と無理に考えるのは苦しいものです。
悲しいことは悲しい。腹が立つことは腹が立つ。不安なことは不安。
その気持ちをなかったことにせず、そのうえで今あるものも一つ確認するようにしました。
- 今日も温かい飲み物を飲めた
- 話を聞いてくれる人がいた
- 10分だけ作業できた
- 散歩に出られた
- 失敗したけれど、原因が一つ分かった
感謝を書くことで人生の問題が消えるわけではありません。
それでも、「ないもの」だけを見続けていた視線を、すでにあるものにも少し向けられるようになりました。
引き寄せようとして、かえって苦しくなったこと
試してよかったことがある一方で、引き寄せの法則を意識しすぎて苦しくなったこともあります。
悪いことを考えたら現実になる、と怖くなった
人には、不安や嫌な考えが浮かぶことがあります。
それなのに、「ネガティブなことを考えたら、それを引き寄せてしまう」と思うと、自分の思考を常に監視することになります。
不安になったうえに、「不安になった自分はダメ」と責めることにもなりました。
今は、考えが浮かぶことと、現実に何かが起こることを同じには考えていません。
嫌な考えが出ても、「今は疲れているのかもしれない」「何を心配しているのだろう」と、自分の状態を確認するきっかけにしています。
うまくいかないのは自分の思考が悪いからだと思った
仕事、お金、人間関係、体調などは、自分の考え方だけで決まるものではありません。
環境やタイミング、相手の事情など、自分では変えられないこともあります。
結果が出ないときに、「私の潜在意識が悪い」「信じ方が足りない」と考えると、必要以上に自分を責めてしまいます。
私は、変えられないことまで自分の責任にしないようにしました。
そのうえで、自分にできる準備や行動があるなら、一つだけ取り組みます。
願いを書くことが、行動の代わりになった
願いを書いたり、成功した場面を想像したりすると、少し安心できます。
しかし、それだけで満足し、実際に必要な行動を後回しにしたこともありました。
そこで、願いを書いた後は、必ず次の一文も書くようにしました。
「そのために、今日できることは何?」
答えは小さくて構いません。
調べる。予約する。100文字書く。一人に聞く。机の上を片づける。
願いと行動を一緒にすると、ノートに書いたことが日常につながりやすくなりました。
私にとっての「引き寄せ」は、行動しやすい自分をつくることだった
引き寄せの法則を試した結果、私は「願えば何でも手に入る」とは考えていません。
一方で、願いを言葉にすることに意味がないとも思っていません。
自分の望みが分かれば、必要な情報を探しやすくなります。
自分を責める言葉を見直せば、失敗した後に再開しやすくなります。
瞑想や深呼吸でいったん落ち着けば、焦ったまま判断することが減ります。
小さな行動を続ければ、偶然の機会が来たときにも動きやすくなります。
私にとっての「引き寄せ」は、何か不思議な力で現実を動かすことより、自分が望む方向へ行動しやすい状態をつくることでした。
今日から試せる5つのこと
引き寄せの法則に興味があっても、何から始めるか迷う場合は、次の5つだけ試してみてください。
- 今の望みを一つ書く
- それが叶ったら、どんな気持ちで暮らしたいかを書く
- 今日できる小さな行動を一つ決める
- 夜に、できたことを一つ確認する
- 休んでも、また書ける日に再開する
願いを立派に書く必要はありません。
途中で変わっても、矛盾しても大丈夫です。
書きながら「本当は違うかもしれない」と気づくことも、自分を知るための大切な変化です。
まとめ|願うだけではなく、気づいた後の一歩を大切にする
引き寄せの法則を試しても、私の人生が急に思いどおりになったわけではありません。
それでも、願いを書くことで自分の望みに気づき、言葉を見直し、今できる行動を考えるようになりました。
私が実際に役立ったと感じたのは、次のことです。
- 願いを書いて、自分の進みたい方向を確認する
- 意識したテーマに関する情報へ目を向ける
- 今の自分が受け入れられる言葉を選ぶ
- 瞑想や深呼吸を、気持ちを戻す時間にする
- 感謝できることを無理のない範囲で確認する
- 願いを書いた後、今日の行動を一つ決める
願うことは、始まりにはなります。
でも、私の現実を少しずつ変えたのは、願った後に選んだ小さな行動でした。
うまくできない日があっても、また戻ればよい。
その積み重ねが、自分の望む方向へ進む一番現実的な方法なのだと思っています。
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