知らなきゃゼッタイ損!在シンガポール日系企業の内部事情5選

人様(募集した)の海外体験

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日本企業が海外に拠点を構えるのが珍しくなくなった今日この頃。外務省が発表したデータでは、2014年の段階で日系企業は実に約68,000もの海外拠点をもつことが明らかに。

インド・中国・インドネシアを筆頭とする東南アジアでの拠点増加が目立つ中、拠点数で毎年12~13位に入ってくるのがシンガポール。駐在員を含む、民間企業勤務の日本人長期滞在者の数はなんと約27,000人にも上るそうです。

 

 

大学卒業後、東京都内の日系企業で4年ほど働いた私でしたが、2010年から2015年の5年間はシンガポールに拠点を置く日系企業(ここではS社とします)において人材育成を担当しました。慌ただしく過ぎていく日々の中で、同じ日系企業でも海外に拠点があることで生じる挑戦や課題を知ることができました。

 

 

そこで今回はシンガポールに拠点を置く日系企業の実情5選をお届けします! シンガポールで働く前に実際はどんなものか知りたいという方、必見です。

 

 

なお、私はもともと日本にあるS社の本社で働いていたわけではないので、駐在員ではなく現地採用(シンガポール人正社員と同じ雇用条件)でした。よって、日本人現地採用社員と周囲にいた日本人駐在員両方の観点で書いていきます。

 

 

 

日本人社員はどう見られてる?

他社では分かりませんが、S社でシンガポールに送られてくる駐在員の多くが、今まで国内マーケット対象にやっていた仕事の海外版をやりに来た方々でした。

 

 

営業系にせよ技術系にせよ、相手にするマーケットが日本国内から中国・東南アジア・オセアニアへと変わったわけです。よって社内・社外の取引先・顧客は日本人とは限らず、北は韓国、南はニュージーランドと多国籍・多文化への対応がが必要です。
本社とのコミュニケーションの架け橋として日本との連携を強化するのも駐在員の典型的な仕事でしたね。

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非日本人社員は日本からの駐在員を、経営方針、品質管理、情報管理、技術などの面でエリート・師匠として見ています。

 

 

ローカル社員よりも高い給料をもらい、プール・ジム付きのコンドミニアムを提供され、医療費も全カバーとなる日本人駐在員は、少なくとも仕事がデキるはずだと思っていますので、仕事の成果に対するプレッシャーは日本国内にいる時よりも格段に大きいと思います。

 

 

「TOEIC 900点です!」と送られてきた駐在員がスピーキングとリスニングに弱く会議で発言しない、質問しても答えてくれない、プレゼンで何を言っているのか分からないということが発覚すると、その噂が結構な勢いで非日本人社員の間で広がります。

 

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また、管轄内の様々な国からそれはそれは優秀な社員が駐在員としてシンガポールに派遣されてきていましたが、残念なことに日本人駐在員と平等な福利厚生システムではないなど待遇に不満を持っていました。

 

 

デキない判定をされ、彼らに頼ってもらえなくなると、各国との交渉を率先してサポートしてくれる人が減りますので要注意です。怖がらせるつもりはありませんが、実力主義の国で好待遇の人から優秀な成績を期待するのはでは当然です。

 

 

 

非日本人社員の日本人現地採用に対する見方は、ここまでシビアではありません。

 

まず同じ条件のもとで働いていることが大きな理由ですが、現地採用はそもそもその国が好きで居ついていた人たち、よって感覚もローカルに近いと思われています。だから噂ループにも入れてもらえますし、ランチも一緒に行きますし、本音も聞かせてくれます。

 

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ただし、日本人駐在員としょっちゅうランチや飲みに行ったりしていると、当然このループには入れてもらえなくなるので要注意です。一般的に、現地採用社員には意地でも自力で海外の仕事を見つけたくて頑張ってきた人が多いので、英語力・コミュニケーション力に長けている人が多いのも事実だと思います。

 

 

非日本人社員から、日本語の資料が読めなくて困っている、日本人に対するお礼の文面はこんな感じで問題ないか、大丈夫と言われたがそれは本音だと思うか、など駐在員本人にはちょっと聞きにくいことを相談されるのも現地採用社員のケースが圧倒的に多かったですね。

 

現地採用と言っても正社員で残業も海外出張もあり、日本との交渉も任されますので、仕事内容は駐在員と変わりません。

 

 

でも私は駐在員になりたかったと思ったことは一度もありません。というのも駐在員のみなさんが非日本人社員と仲良くなろうと必死に努力しても、どこか距離を置かれているのが目に見えて分かったからです。現地採用のほうが社内での居心地はずっと良いだろうと感じていました。

 

 

 

残業大国に生まれた宿命

 

 

日本は世界でも名の知れた残業大国。「日系企業で学べる経営や技術は魅力的だが、残業が多そうだから一生働かない」という友人も少なからずいたものです。

 

 

日本では管理職未満には残業代が出ることが多いですし、結果はいまいちでも遅くまで頑張る姿勢が評価されることもありますよね。日本で働いていた頃、私の残業時間は1日平均3時間くらい。定時は5時半でも実際に退社するのが8時半という感じでした。残業代だけで結構稼げて、文句言えない状態になりますよね…。

 

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さて、シンガポールの駐在員はどうだったかというと:

 

  • 毎日延々と残業。精鋭集団であるはずの駐在員には与えられる業務量が多く、日本では5人でやっていたような仕事を2人でやらなければいけないなんてことも多々あり。夜10時は珍しくなく、12時を回ることも。

 

  • シンガポールではタクシーが安いので、終電を逃しても会社で寝るハメになることはありません。全社員ノートパソコンで社外への持ち出しは可能でしたので、自宅残業すら出来てしまう。

 

 

  • さらに管轄内の国の時差の関係で、朝7時とか夜8時から電話会議なんて日常茶飯事。

 

 

  • シンガポリアンや欧米系社員は家族との時間を大切にする人がとても多いので(日本人もそうだと思いますが、彼らはこの点非常に有言実行です)、急な仕事は日本人同士で片づけるハメになることが多い。彼らを失うと業務上困るので、余程の事情がないと残ってくれとは言えない。

 

 

  • 非日本人社員、中でもローカルシンガポリアンの平均勤続年数は3~5年。早ければ半年。「いくら教えてもどうせすぐ辞めるんだから」と、そもそも業務や権限の委譲を控えてしまう。

 

 

  • 日本人社長・経営陣は、日本の企業文化をごっそり持ち込んでくるパターンが多いので、シンガポールでも日本人駐在員に対しては「アイツいつも遅くまで頑張ってるな」が評価の一環となる。

 

  • 結果、総体的に日本にいた時よりも残業時間が長い駐在員が多数。「絶対日本にいた時より残業してるし! 付いてきてくれたカミさんに申し訳ないわ」とよく言っていました。「だったらせめて週末の付き合いゴルフやめたら?」と言いたくなりましたがw
  • 管理職でなくても残業代は出ません。

シンガポールの現地採用はというと:

 

  • ローカルシンガポリアンの中には、6時が定時なら5時50分にはタンブラーを洗い、バッグをまとめ、PCを落として6時に立ち上がる人もいるくらいです。私はさすがにそこまでしませんでしたが、上司がシンガポール人だった時は、6時半には「まだ居るの?もう帰りな~」と言われ退社していました。上司自身7時までいることは稀でした。退社後に携帯で社内メールをチェックして返信してしまうと「やめなさい。モード切り替えなさい」と言われたものです。

 

 

  • ただし、翌週に控えている大事なイベントの準備だとか、出張中だとか、緊急で翻訳が必要なドキュメントがあるなんて時は、夜12時を回ろうと終わるまで仕事してました。結果主義ですので、そこは言い訳なしで。ほとんどのローカルはここまでしないので、やはり日本人気質が出てしまうのかと自分をちょっと恨みました。

 

 

  • 日本人上司だと「俺より先に帰るな」とも「もう帰れ」とも言われないものでした。でも、現地採用はローカルコントラクト(契約条件)を盾に、日本人でもローカルと同じ労働条件を主張することができますので、定時でも帰りづらいことはありませんし、それが理由で評価が下がることは一切ありません。8時まで残ると必ずと言っていいほど駐在員の方に飲みに誘われたので、セコい話ですが金欠の時だけはあえて残っていましたw

 

 

  • 管理職でなくても残業代は出ません。

 

日本人(特に駐在員)である以上、日本国外でも残業がついて回るのはもはや宿命なんですかねぇ…。

 

なかなか割れないガラスの天井

 

英語では「グラス・セイリング」と呼ばれる、企業内に存在するガラスの天井。日本企業だけでなく政府内でも、男性の方が有能・適任といった先入観で女性の重要ポストへの登用が少ないと言われ続けてきました。S社において最大のガラスの天井は、非日本人社員の部長以上のポストへの登用でした

 

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チーム長レベルには、シンガポリアンだけでなくオーストラリア人やカナダ人もいましたが、社長直属の部長クラスには非日本人が8人中1人という状態でした。日本とのやりとりが頻繁な部署や、日本側に英語が話せない部署には、仕事を円滑に進めるために日本人部長が必要だというのが理由でした。

 

書類や会議も日本語が混じることが多々あり、日本語を理解しない社員にとってはストレスが溜まりますし、何より異文化を尊重されていない、排他的だという印象を作り上げてしまいます。

 

 

中国語が分からないのに中国語の会議に放り込まれ、自分の意見を言うタイミングすら分からないまま重要事項がどんどん決まっていくようなものです。また、会議中ところどころしか理解できなかった参加者たちは、決定事項だけでなくその結論に至った過程を知りたがります。当然フェアなのですが時間の浪費に繋がります。

 

 

ドキュメントの2言語化(日本語と英語)もしょっちゅうでしたが、正直、こんなの日本を甘やかしているだけだと思っていました。ローカルとのランチではよく愚痴られましたし、業務の一環で社員の声をモニタリングした時も、これらの不満が見事に反映した結果となりました。

 

 

これを受けて人事部長が、部長職に新たに2人の非日本人を起用。必要ならば部署まで増やしてポストをつくったのです。彼は新任の日本人駐在員でしたが、歴代の人事部長に比べると決断力はズバ抜けていたと思います。

 

 

時折2人で話し込む機会があったのですが、ある日非日本人の部長職登用が少ないもう1つの理由を教えてくれました。それは昇格・昇給した瞬間に競合他社に転職される危険性があるから、というもの。

 

 

確かに非日本人社員の平均勤務年数は日本人に比べて短いですし、駐在員ならいずれ母国には帰るものの、同じ会社で働き続けることがほぼ約束されています。しかし、非日本人の場合はローカルでも駐在員でもキャリアアップのための情報収集は常に行っています。

 

 

また、競合からヘッドハントされていても、あえて昇給されるのを待ってから転職することで、転職先にそRを更に上回る条件を提示することができるため、昇給後の離職が多いんですね。もちろんすべての非日本人がお金目当てで働いているわけではありません。

 

 

社内調査でもやりがいのある仕事、多国籍・多文化な環境など、給料以外の理由で勤続する30年選手だっています。でも一般的に昇格させたい有能な人ほど外部からの声もかかるものですので、非日本人の昇給・昇格には消極的にならざるを得ないというところなんですね。

 

 

この言い分は分かりますが、これがまた的を得たローカルの反論を招くのです。「日本人駐在員が部長である以上、俺にこれ以上のキャリアアップはない。他へ移ろう。」と離職率が上がるか、「私の方がこの仕事を長くやってるのに、どうしてこのエリアのことを何も知らない日本人駐在員が部長になれるワケ!?」とチームのモチベーションが下がるか。

 

 

日本を一歩出れば、そこは多国籍社員が出身国に関わらず平等に競える場所というにはまだ程遠い状態でした。社長が非日本人にならないと変わらない、とローカルも諦め気味。

 

 

現地採用の私ですら、「あなたは日本人だから駐在員じゃなくてもいけるんじゃない?」と嫌味を言われることがあったくらいなので、ガラスの天井は私が在籍中の5年間でヒビこそ入りましたが割れることはありませんでしたね。心待ちにしていたんですがねぇ…

 

 

郷に入っては郷に従え

 

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文化に優劣はないというのが自説ですが、企業文化となるとつい優劣を付けたくなってしまう私。これは個人的な好みや相性みたいなものがあるので、「私にはこの企業文化がベストなので、あなたにとっても絶対そうです!」というものではありませんが、やはり郷に入っては郷に従えだと思います。

 

 

これはシンガポールという異国でシンガポール人に地盤を固めてもらっている企業として、拠点はシンガポールでも10か国以上からの社員や顧客を相手に仕事をする企業として、当然わきまえるべきことだと今でも強く思っています。

 

 

ある日、社長から1通のメールがシンガポール在籍の全社員に対して送られました。「我が社の勤務時間は午前9時から午後6時までである。直近2か月の全社員の出退勤記録を取ったところ、〇〇%の社員が午前9時に未着席であった。

 

 

 

これらの社員に対しては別途注意喚起メールが送られると同時に、その上司には部下への指導を要請する」といったこのメールは、多くの非日本人社員の大反発を買うことになりました。その理由は明白。

 

 

まず、この出退勤チェックは社員への事前通知なく秘密裡に行われていたこと。そして顧客先・取引先との会議や研修会場に直行した、ぐずった子供を学校に送るために遅れた、体調不良で病院に寄って遅れたなどの正当な理由があり、尚且つ直属上司にはあじらかじめ伝え了承を得ていたケースがノーカウントだったからです。

 

 

結果主義であるシンガポールにおいて勤務開始時刻は人さまざまであることに理解を示さず、さらには上司と部下の信頼関係すら壊しかねない内容だったのです。朝一で届いたこのメールを読んだ瞬間、サーッと血が引いたのをよく覚えています。

 

 

周囲の非日本人社員はというと、はぁ~…と深いため息をつき、怒りを通り越して無言で首を横に振る状態。会社が非日本人社員を信じていないことを露呈したようなものでしたからね。結局これが直接の引き金となって優秀なチームリーダーが数名退社しました。

 

 

また、今まで残業をしてでも結果を出そうと頑張っていた社員たちがこぞって6時ジャストに帰り始めるという皮肉な事態に。

 

これが社長の耳に入り、マズいことをしたと思ったのか、なんかもう、なかったことにしてましたね。謝罪もなかったし。同じ日本人として本気で恥ずかしかった…。私もやっぱりそのうち辞めようと思ったのもこの時です。

 

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この事例、結構具体的なので書くのを迷いました。おそらくS社社員はこれだけで自社のことだと分かるでしょう。でも日本国内、しかもシフト制の工場でもない限り絶対に成功しない例です。そもそも、少なくともシンガポールにおいて「これがルールだからこうしなさい」というアプローチはほぼ通用しません。

 

 

これが有効に使えたのは、シンガポール建国の父で今は亡きLee Kwan Yewくらいです。何しろ、ある日地下鉄の駅のプラットフォームにある自動ドアが、チューインガムで開かないようにイタズラされているのを見て、「これはシンガポールが求める創造力ではない。チューインガムはもう罰金ね。口が淋しければバナナ食べなさい」とチューインガムの販売を違法化した伝説の人ですから。

 

 

じゃあどうやって人を動かすのかというと、コーチングです。英辞郎では「目標達成のために必要なスキルや知識を身に付けるため、コーチと呼ばれる指導員と双方向コミュニケーションをはかること」とされています。この指導員になるのは基本的には直属の上司です。

 

 

もともと欧米のアプローチですが、欧米化の進むシンガポールでのビジネスにおいてコーチングは必須です。一辺倒ではなく、個々に適した方法でモチベーションを高めるんですが、日本ではここ5年でやっと常用される言葉になったので慣れていない人には難しい。

 

 

そこでS社でも頻繁に見られたのが「指をさしながら人前で叱る」という日本人上司の行動。「人前で叱れば、聞いているヤツらもそこから学ぶから一石二鳥だろう」と思っていると逆効果です。コーチングはプライベート且つ威圧的でない空間で行われることが多いですし、「なんで出来ないんだ!

 

 

こうやってやるんだ、いいかお前しっかり見てろよ!」と怒りながら答えを教えてしまうのではなく、「何がどうして障害になっているのか」「その障害はどうしたら取り除けるのか」など、双方向の会話の中で部下本人が自分で答えを見つけていくものです。

 

 

 

この方が腑に落ちるので自然とやる気も出ますし、部下はすでに解決するための方法に自ら辿り着いていますし、上司との絆も芽生えます。

 

 

これぞコーチングにおける一石三鳥。出退勤チェック事件では、本当の問題児を特定し、このコーチングを行わなかったことが失策の最大の原因だったと思います。

 

 

 

いつも庭に遊びに来ていた鳥の大群に石を投げたら一羽も捕まえられず、みんな散り散りに飛んで行ってしまい、そのうちの何羽かは二度と戻らなかった、という残念なお話でした。

 

 

好かれてナンボ!

 

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仕事のやり易さや効率性を考えると、やはり非日本人の上司・部下・同僚に好かれておく必要があります。これまでちょっと厳しいことを書いてしまったので、なんかもう面倒くさそうだなと感じている方もいらっしゃるかもしれませんが、せっかくのキャリアアップの機会を不戦敗にするのもモッタイナイ! ということで、非日本人社員に好かれていた(または引かれていた)日本人駐在員のが、日頃からどんな行動・言動をとっていたかをまとめてみます。

 

 

1) 明るく元気に!:

 

小学生か!と思われるかもしれませんが、大きな笑顔で快活に笑う人はシンガポールでも好かれます。キャラ得です。

 

怖そうな第一印象でも良いのは、不祥事の後処理に来た新任社長くらいじゃないですかね。業績不振でも超多忙でも明るく振舞っている人のところには、いつも前向きな社員が集まっていましたよ!

 

 

2) 日本人駐在員とつるみすぎない:

 

どの日系企業でも日本人駐在員コミュニティなるものが形成されているものですが、S社の場合はそれが比較的大きく、仲も非常によろしかったのです。日本人駐在員が着任・帰任する際には、日本人のみで大歓送迎会を開いていました。

 

ランチも日本人駐在員としか行かなかったりしていると、非日本人は自然と距離を取ってきますし、本音を言わなくなります。業務内外のことについて「アイツ、こんなこと言ってたんですよ」と日本人同士で噂され、経営陣に知られたら大変ですからね。

 

一度距離を取られると縮めるのに勇気がいるし小恥ずかしい気持ちになり、「今更遅いし、もういいや!」となっている方、実に多数でしたね。

 

また、「もう1年もいるのに英語伸びないな~」と言っている駐在員のほとんどは日本人コミュニティにどっぷり浸かっている人でした。日本人同士の付き合いも大事ですが、最初の一週間が印象を決める勝負だと思います。

 

 

3) 英語に自信がなくてもハキハキしゃべる:

 

日系企業で働く非日本人社員は、日本人の英語レベルの低さをよ~く知っています。彼らはそれを承知の上で、それはもう一生懸命にコミュニケーションを取ろうとしてくれます。

 

こういう光景を見ると涙が出そうになるくらいです。そんな彼らの前で文法が間違ってたら恥ずかしいとか、意味が通じるか心配する必要はありません。

 

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単語の羅列に身振り手振りを加えて乗り切っている駐在員の方々を頻繁に見かけました。気持ちをこめてハキハキとキーワードを並べる方が、完璧な英語を話そうと思って小声になったり突っかえすぎたりするより分かってもらえるんです。

 

また、シングリッシュと呼ばれるシンガポール英語は省略が得意ですし、三人称単数とか過去完了形をしっかり使わないのがコツだったりします。お年を召したタクシードライバーや発展途上国を相手に英語を使わなければいけない時も、ネイティブスピーカーの英語では早すぎ・発音良すぎで逆に理解してもらえないことがあります。

 

 

現地採用の日本人の先輩はミャンマーでの営業教育中に、「この機種でカラー印刷は可能か」という質問を受け、潔く「カラー、CAN!」と答えていました。彼女は帰国子女ですので「Yes, you can print in colour with this machine」と美しい発音でスラッと言うことも出来るのですが、それだと理解に苦しむ人がいるかもしれない、親しみやすいトレーナーだと思ってもらえないということを知っているんですね。

 

ちょっとプロフェッショナルさに欠けるので、ネイティブ相手のプレゼンには適しませんので要注意ですが、英語が苦手な方はまずはシングリッシュでローカルの心を掴んでみては?

 

 

4) おはようの後にもう一言:

 

日本では朝出勤して挨拶をした後、そのまま仕事に着手し、ちょっと手が空いたところで「ところで昨日のディナーどうだったの?」なんて話をしたりしていました。

 

でもこれってかなり事務的だと思われるようで、おはようの後にはもう一言、「ちょっと聞いて!今朝のバスでこんなことがあった!」とか「ちょっと、このお店美味しいらしいんだけど今度行かない?」などと仕事とは無関係な話をすると好感度大です。

 

 

5) 褒める時はみんなの前で、叱るときは個人的に:

 

アジア人も欧米人も、みんなの前で褒められるの大好きです。S社で四半期に一度開催された社員集会では、個人やグループのパフォーマンスや勤続年数を称える賞が何十人もの社員に付与されました。もちろん金一封付きです。

 

「フィードバックくれる時は決まってネガティブな内容」というのもよくある噂の内容ですので、社内行事でなくても日常的に小さなことに対しても褒める習慣がある日本人は好かれていましたね。また、叱りたい衝動に駆られたら人前で叱るのではなく、マンツーマンでコーチングできる日本人上司はプロフェッショナル度高いと評判でした。

 

 

6) セクハラ判定に注意!:

 

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日本では女性に対して「おっ、今日の服装いいんじゃない?」なんて言っても「えーっ!ありがとうございまーす」と返ってくるかもしれませんが、欧米人女性部下にこれを言ったらセクハラ判定されます。

 

 

シンガポール人も日本人女性よりシャイでピュアなことが多いので、髪型・服装・メイクなどについては、本人から感想でも聞かれない限り控えた方がいいと思います。また、日本人男性が上司だった時インフルエンザで寝込んだのですが、家までポカリ持ってきてくれました。

 

私が一人暮らしだったのを心配してくれたんだと思いますが、これには正直引いた。そして出張に行った際、その上司と席を隣同士にされたのにはもうドン引き。深夜便で7時間ですよ! ありえなかった…。

 

その後どうしても週末出勤しなければいけなかった時、その上司をコピーに入れて送った業務メールに対し、プライベート携帯に「仕事してんなら昼飯おごってやるから出て来い」とSMSが来たその瞬間限界に達し、「週末はプライベートですので、このようなお誘いはお断りします」。

 

 

その次の出張の際には「仕事ですので席離してください」とお願いしました。これ、日本人相手でなかったら丁重にお断りなんてされませんし、人事長にセクハラ被害の報告がいくのは確実です。

 

 

まとめ

私の退社からすでに1年が経ちましたので、これらの内部事情やその根本的な課題も少しは変わったかもしれません。

 

また、当然すべての日系企業がそうであるとは限りません。でも似たような挑戦を受けて立たなければならないことはあると思いますので、そんな時にちょっと思い出してもらえればいいかなと思います。

 

 

「知らなきゃゼッタイ損!在シンガポール日系企業の内部事情5選」のまとめ

1. 日本人社員はどう見られてる?
• 日本人駐在員は実力主義の国に好待遇=少なくとも仕事がデキるはずだ
• ローカルと同じ待遇の現地採用の日本人は感覚もローカルに近いと思われており、距離を置かれにくい
• 駐在員よりも現地採用の方が社内での居心地が良いかも
2. 残業大国に生まれた宿命
• 日本にいた時よりも残業時間が長い日本人駐在員が多数
• 週末のお付き合いゴルフも健在
• 定時で帰れる現地採用も、つい日本人気質を発揮してしまいがち
• 日本人である以上、日本国外でも残業がついて回るのはもはや宿命
3. なかなか割れないガラスの天井
• 最大のガラスの天井は、非日本人社員の部長以上の重要ポストへの登用
• 言葉の壁も付随し、ストレス・異文化を尊重していない・排他的だという印象を与える
• 非日本人の平均勤続年数の短さと昇給・昇格後の転職がリスクのため消極的
• 部長職にはつけない、自分のほうが仕事を知っているいうローカルの不満
• 多国籍社員が出身国に関わらず平等に競える場所にはまだ程遠い?
4. 郷に入っては郷に従え
• 出退勤時間チェック事件で非日本人社員が大反発
• 結果主義文化への理解不足を露呈し、上司と部下の信頼関係を壊しかねた
• 「これがルールだからこうしなさい」は通じない
• コーチング実施で一石三鳥
5.好かれてナンボ!
• 明るく元気に!
• 日本人駐在員とつるみすぎない
• 英語に自信がなくてもハキハキしゃべる
• おはようの後にもう一言
• 褒める時はみんなの前で、叱るときは個人的に
• セクハラ判定に注意!

You can do it!

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